子供は、上下の前歯が生え揃う1歳頃から、前歯で歯ぎしりをしたり、おもちゃや身の回りのものを噛んだりするようになります。
これは、新しく生えてきた前歯をどう動かせば噛み合うのか、どのくらい力を入れれば噛めるのか、前歯の使い方を確かめるためです。
それが2歳以降も噛み癖として定着してしまうかどうかは、後述の噛み癖の原因によって変わってきます。
この記事では子供の噛み癖の原因と直し方を解説します。
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子供の噛み癖の対象
小さな子供の噛み癖は対象が「物」の場合と「人」の場合があります。
噛み癖が「人」に向かっている場合、幼稚園や学校でトラブルとなる可能性がありますから、親は悩ましいでしょう。
「人」に対する噛み癖は問題が根深く、子供が成長して結婚したときに夫婦生活に支障をきたす場合もあります。
「物」が対象の場合には誰かに迷惑をかけることは少ないですが、おもちゃなどを噛む行為をやめさせたいと思う親は多いです。
子供の噛み癖の原因
子供の噛み癖の原因は主に以下の7つです。それぞれ詳しく解説しますので、順にみていきましょう。
① 教育不足
幼い子供は、物や人を噛むのが良くないことだという認識がありません。「子供からするとなぜ噛んではいけないの?」という気持ちで悪気はないのです。
② 性格
噛み癖は、生まれ持った性格にもよります。一人一人の子供に個性があるように噛み癖もまた個性の一つで自然に起きている可能性があります。
③ ストレス
心理的に大きなストレスを感じている子供のなかには、おもちゃや身の回りのものを、ボロボロになるまで噛んでしまうことがあります。
必ずしも親が子供に大きなストレスを与えていて、噛み癖の原因になっているというわけでは決してありませんが、何かしらのストレスによる噛み癖もあり得ることです。
④ 生活環境
身近な生活環境に関心の向くことや楽しいことがないと、口を使った行為で楽しみや気分的満足を味わっていることがあります。子供にとっては遊びの感覚で噛む行為をしているのです。
⑤ 愛情不足
愛情不足を指摘されることは、両親にとってはつらいことですが、子供に興味を持たない両親の子供に噛み癖が発生しやすいのは事実です。
⑥ 習慣化
噛み癖がある子供のなかには、「噛む感覚そのもの」が好きになってしまっている子供もいます。
⑦ 独占欲
子供は、大好きな物や人を「自分のものだ」とアピールしたい傾向があります。「自分の歯型」を物や人につけることで、マーキングしているのですね。
子ども噛み癖の直し方を原因別に解説
子供の噛み癖の主な7つの原因をみてきましたが、ここからはその原因別に直し方を解説していきます。
① 教育不足が原因の場合
噛み癖の原因が教育不足による場合、ストレートに「噛むのをやめなさい」と伝えることが大切です。きちんと言葉で伝えることで、子供も「噛ものは悪いことだったんだ」とはじめて気づきます。
伝えるときには、しっかりと真面目なトーンで話すのがポイントです。噛み癖をやめるまで、繰り返し根気強く教えます。
大きな声で叱ったり怒ったりするのを絶対的に否定するわけではありませんが、その悪影響でかえって強く噛む行為に執着してしまうことがあることに留意して下さい。
② 性格が原因の場合
生まれ持った性格は変えにくく、根深い問題です。噛み癖が性格による場合、そもそも直すことが難しい可能性もあります。
性格が原因の場合には保護者だけで解決をしようとするのではなく、医師などの専門家に相談することをおすすめします。
③ ストレスが原因の場合
ストレスが原因で噛み癖がひどいときは、ゆっくり話を聞いてあげるといいでしょう。
子供が抱えているストレスを理解して、それを緩和してあげる努力をしましょう。
童話を読んだり、子供を抱きしめたりするのも効果的です。
④ 生活環境が原因の場合
噛むことに執着する子どもの気持ちを理解しながら、ほかの物に興味を向けていく対応が必要です。
他に興味を惹かれる遊びやおもちゃがあれば自然と噛み癖が直ることがあります。
⑤ 愛情不足が原因の場合
子供は「自分の相手をしてほしい」という気持ちを、言葉で表すことができないため、噛むことで理解してもらおうとします。極力、子供の気持ちを理解してあげるように努めましょう。
⑥ 習慣化が原因の場合
きちんと「噛むのをやめなさい」と伝えるのが、一番の対処法です。無意識に噛んでしまう子供に対して強い口調ではなく、指摘してあげることが大切です。
⑦ 独占欲が原因の場合
独占欲が原因で噛み癖がある人にとっては、「噛む行為」がコミュニケーション方法のひとつになっています。「話す」ことによるコミュニケーションの頻度を増やすことが大切になります。
子供の噛み癖の根本原因は承認欲求
前述の原因の根底には、子供の承認欲求の問題があります。
下記の方法で、子供の承認欲求を満たしてあげるのが効果的です。
① 子供をほめる
小さなことでも子供をほめてあげます。これまでほめられた経験のない子供にはとくに効果的です。
② 子供に感謝する
親が子供に感謝すれば、子供は自分のことを誇りに思うでしょう。プライドが育つと、噛み癖が直ることが多いです。
③ 子供の話を聞く
承認欲求を満たすには、子供の話をよく聞いてあげるのも大切です。子供が自分の気持ちを話すのに慣れれば、自然と噛み癖が直ることが多いです。
まとめ
ここまで子供の噛み癖原因や、直し方を解説してきました。子供の噛み癖を直すには、噛み癖の原因を明らかにするのが先決です。
いきなり対策に走っても、良い結果は得られません。原因の解明は「子供の噛み癖はどんなときに現れやすいか?」に注目すると、おのずとわかってきます。噛むという現象にとらわれず、子供の心の問題に注目することが重要です。