除菌スプレー手を消毒する女の子とお母さん
  • ヘルスケア
Date:2021/12/23

安全性の高い除菌成分は?4種類の比較と注目の「PHMB」について

新型コロナウイルスの流行があり、ウイルスや細菌の対策について考える機会が増えています。身の回りの物を消毒する機会も随分と増えてきたことと思います。

消毒のために使う成分というとアルコールが最も身近で一般的ですが、小さいお子様がいる家庭やアルコール過敏性の人がいる家庭では使いづらく、他の消毒成分を探しているという声をよく聞きます。

実はアルコール以外にも消毒のために使える成分は色々とあり、それぞれに特性があります。

今回は現在一般的に使われている消毒成分から新世代の消毒成分「PHMB」まで、その特徴について解説していきたいと思います。

代表的な除菌成分の種類

除菌スプレーで手を消毒

まずは代表的な除菌成分をいくつかご紹介します。
 

アルコール

まずは多くの人が消毒と聞くと思い浮かべる成分、アルコールから見ていきましょう。現在消毒成分としては最も多く使われており、家庭はもちろん医療現場でも活躍しています。

安価で手に入り、比較的安全に使え、消毒効果が高いというのが特長です。揮発性があり消毒の役目を終えた後に成分が残ることが少ないのも良い点と言えるでしょう。

ただ揮発性があるためアルコールを吸入してしまうことに注意が必要になります。アルコールに敏感な人や小さなお子様がいるご家庭では取扱いに注意しなければなりません。

またアルコールが消毒性能を発揮するためには70%程度の濃度が必要になります、水に濡れたところにスプレーしたり水に濡れた手を消毒したりすると、その水分でアルコールの濃度が下がってしまい十分な効果が出ない場合があります。

逆に濃度が濃すぎると揮発するのが早すぎてきちんと消毒できないため、70%前後の濃度のものを使うようにしましょう。ノロウイルスやロタウイルスといった一部のウイルスには無効であることも覚えておきましょう。

物をアルコールで消毒する際、アクリル製品だと白濁したり割れたりすることがありますので注意が必要です。
 

次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムはアルコールの有効性が低いノロウイルスとロタウイルスにも有効です。家庭に存在する菌の多くはカバーすることができます。

ノロ・ロタに有効ということからお子様のおむつのような便のついたもの、嘔吐して汚れた服など吐物のついたものの消毒に適していると言えます。

高い濃度で長い時間消毒するほど有効性は高いのですが、腐食作用や漂白作用も強くなるので消毒する物の材質を確認して使う方が良いでしょう。大事な物の場合は一旦目立たないところにつけてみて問題ないか試したほうが無難です。

刺激性が強いため手指の消毒には使えませんので注意しましょう。また次亜塩素酸ナトリウムは酸性の洗剤と混ぜると塩素ガスを発生するという性質を持っています。この塩素ガスは毒性が非常に強く、短時間で命の危険に直結します。

もし次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は他の洗剤と混ぜることは絶対にしないでください。また洗剤を使った後の場所を洗うことも控えてください。お酢やクエン酸にも反応するのでキッチン周りに使用する時には注意しましょう。
 

次亜塩素酸水

次亜塩素酸水は塩化ナトリウム水溶液と塩酸水を電気分解して得ることができる次亜塩素酸を主成分とする酸性の電水です。ノロウイルスなどにも有効で高い消毒性能を持ちます。

刺激性は少なくて指の消毒にも使えます。高い消毒性能と安全性を備えた消毒成分であるといえます。

注意点としては時間の経過や紫外線への当たると濃度が下がってしまう点が挙げられます。保存する際には直射日光を避ける必要があります。また購入してからなるべく早期に使い切ることが大切です。
 

PHMB

PHMBはポリヘキサメチレンビグアナイドという物質の名前の略称です。高い消毒性能と安全性を兼ね備えている次世代の消毒成分です。

電荷を帯びたPHMBがウイルスの外膜に結合すると、外膜の構造が保てなくなりウイルスが崩壊し、消毒作用を発揮します。刺激性がなく安全性が高いのですが、消毒効果は高いため、さまざまな用途に使用することができます。

食品製造工場での消毒、人が入るプールの水の消毒、コンタクトレンズ関連の消毒といったところで使用されています。人体に触れる物や口に入る物の消毒に使われていることからもわかるように、消毒性能がしっかりしており、かつ人体に悪影響を与えにくいという性質を持っています。

またアルコールでの消毒で問題になるアクリル製品やパッキンを痛めるということもありません。特に最近は飲食店やオフィスなどはアクリルでできた仕切りが設置されていることが多く、このアクリル製品を痛めないというのは非常に有用です。

物に対する刺激性も少なく、脱色や腐食することが少ないため、ファッション小物や服の消毒にも使うことができます。水の消毒にも使われていることからわかるように水に濡れた場所でも消毒ができますのでキッチン周りの消毒にも使うことができます。

皮脂や・汗・唾液・排泄物が付着したような物でも消毒作用が失われません。

除菌薬剤比較
 

PHMBの活用法

マスクに除菌スプレーを吹きかける

ここまで様々な消毒成分について紹介してきました。ここからは次世代の消毒成分であるPHMBのご家庭での活用法についてみていきます。
 

■マスクの消毒

家に帰ってきたときにマスクが使い捨ての場合ならすぐに捨て、布マスクなどの場合はすぐに洗濯をすることをおすすめします。ただ外出先などでマスクを一旦外して、しばらくしてから付けるという状況がよくあるかと思います。

そのような場合にさっとマスクの消毒ができると良いですよね。このマスクの消毒に使用する消毒液の条件としては除菌力があることと、吸い込んでも安全であるということが当てはまるかと思います。どちらもクリアしているPHMBはマスクの消毒に必要な条件を満たしています。
 

■水場の消毒

水場の消毒ではアルコールは濃度の関係で使いづらく、次亜塩素酸ナトリウムは腐食性や刺激性の点からやや使いづらいというのがあります。

PHMBは水場の消毒に使用されている成分で水に濡れた場所であっても十分な消毒性能を発揮することができます。水を使うことの多いキッチン周辺の消毒にはPHMBが活躍してくれます。
 

■赤ちゃんやお子様の物も消毒できる

小さなお子様のいるご家庭では消毒液をなかなか使いづらい環境かと思います。大人では特に問題の出ないアルコールも小さなお子様の繊細な肌やアルコール過敏症の人ではトラブルになることがあります。

小さなお子様はおもちゃを口に含むことが多いので、お子様の身の回りの物はなるべく清潔に保ちたいところです。そのような場合には優れた除菌性能があり、かつ刺激性の低い消毒成分であるPHMBを使うことで安心して消毒をすることができます。

PHMBをはじめとした小さなお子様にも安心して使える消毒スプレーに関してまとめたランキング記事もありますのでそちらもぜひ参考にしてください。

おもちゃの除菌にも!赤ちゃんやお子様用におすすめの除菌スプレー5選!

 

まとめ

今回は様々な消毒成分の中から一般的に使われている成分、エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水についてその特性を解説し、さらに次世代の消毒成分であるPHMBについてご紹介しました。

それぞれの消毒成分の特性を理解して、目的に合わせたものを活用しましょう。